コラム
SNS運用の戦略はこの順番で立てる(~概論編)
TRYVAL代表の杉本と申します。
今回はいただく質問の中で最も多い、「SNS運用の戦略ってどうやって立てたらいいの?」という話について、記事にしました。
・SNS運用しているけど成果がでない
・ゴール設定をどうしたらいいか分からない
・発信がフォロワーに刺さってる感じがしない
・とりあえず投稿はしているけど…
という企業のSNS運用担当者様は、是非ご覧ください!
目次
SNS運用は目的・目標・戦略が命
8つのステップ
1.目的
2.現状分析
3.ターゲット設定
4.カスタマージャーニーマップ
5.KGI/KPI設定
6.競合分析
7.自社投稿案企画
8.投稿スケジュール作成
まとめ
SNS運用は目的・目標・戦略が命
まず、はっきりいいますが、SNS運用に限らず全てのマーケティング活動は「目的・目標・戦略が命!」です。何のためにやるのか、SNSにおいて達成したい目標は何か、そのための戦略はどうするか、が決まらないと、上記のような悩みが出てしまいます。なので今回は、BtoC事業を中心に50社以上SNSの支援をしてきたTRYVALが考える、企業のSNS運用戦略の立て方についてお話します。「この順番で運用戦略を考えれば、まず間違いない」というものです。
なお、私たちがご担当させていただく企業様の多くは”売上規模5億~100億ほど・従業員20~150名ほど”という企業様になっております。なので、売上規模も認知も莫大な大企業のSNS運用担当の方にとっては、もしかすると応用が効かないかもしれません。その点はご了承ください。
SNSアカウント設計 8つのステップ
1.目的
まず何より、「何のためにやるのか?」が最重要です。
部活でも勉強でもそうですが、「甲子園で優勝するため!」「〇〇大学に受かるため!」という目的があるからこそ、そのために必要な練習や勉強がわかってきます。これと同じで、SNS運用でも目的がなければ、そもそも何を発信していくかの戦略も描けません。
多くの企業様の場合は、
①認知拡大に繋げるため
②サービスのブランディングのため
③採用するため
このあたりかと思います。注意しておきたいのは、①②はいずれも最終的には「売上に繋げるため」なので、何をしても認知が広がればいいという訳ではないですよね。ここを抑えないと「フォロワー増えた」「再生回数伸びた」=OKとなってしまうので、目的をはっきりさせておきましょう。全ての戦略づくりの根幹です。
2.現状分析
目的を決めたら、次は現状を知ることです。理想と現状を知って始めて、取るべき戦略が見えてきます。
TRYVALでは現状を知るための分析として、
①3C分析
②4P4C分析
③SWOT分析
の3つのフレームワークを活用することが多いです。
※具体的な方法は別記事でご紹介します。
例えば3C分析でユーザー・競合・自社について理解すると、「サービスを最も喜んでくれるユーザー」が見えます。
3C分析の考え方のステップは、
①現在どんなユーザーがいるか(Consumer)
②そのユーザーはその他どんなサービスを検討するか(Competitor)
③そこと比べて勝っている自社の特徴・強みは何か(Company)
→だからユーザーは自社の商品を選ぶ。というステップ。
これがターゲット設定につながってきます。
現状分析のゴールは、「その会社のことを誰かに話し、買いたいと思われること」「運用で勝てる戦略がぼんやりとでも描けること」です。現状を知ると、戦い方が見えてきます。マーケティングのフレームワークを必ず活用し、自社分析をしましょう!
3.ターゲット設定
3C分析・4P4C分析などを行うことで、どんなユーザーから選ばれるかが明確になりました。
次は現状分析を行ったことを踏まえ、ターゲット像を描いていきます。ポイントは、「ターゲットを明確に描くこと」です。特に企業の扱うサービスは、基本的に競合が多いです。だからこそ、最初はサービスが刺さる人をより明確にし、「人数が少なくても、その人からは絶対に選ばれる」状態を作りましょう。
使用しているフォーマットがこちら。ぜひご活用ください。
4.カスタマージャーニーマップ
カスタマージャーニーマップ(以下CJM)とは、「サービスの購入までのプロセス・顧客の行動パターンを、思考や感情も踏まえ分析するフレームワーク」です。CJMは、必ず描きましょう。描くことで、顧客の詳細な行動を俯瞰的に把握できるようになり、そこに対しての最適なアプローチがわかってきます。
TRYVALではCJMを、
①認知
②興味・関心
③ファン化
④行動
⑤共有
という5つのステップに切り分け、
・ユーザーがどういう思考/感情の変化が起こるか
・SNSで何を発信し、定量数字/定性は何をチェックするか
を明確にします。その上で、Instagram・Tiktok・X(Twitter)・公式LINEなどの各々でやるべき施策を考えていきます。実際に使用している表を添付しますので、参考にされてください。
※なお、今後CJMに特化した記事も掲載予定。気になる人はフォローを。
5.KGI/KPI設定
次に行うのが目標の設定、KGI・KPIの設定です。KGI:(Key Goal Indicatorの略)とは、日本語では「重要目標達成指標」と呼び、目指す最終的な数値目標を意味します。KPI:(Key Performance Indicatorの略)とは、組織の目標を達成するための重要な業績評価の指標です。
SNS運用を通じて達成したいゴールは何か、そのゴールを達成するために大事なことは何かを決めます。
運用を始めるにあたり、どこを目指すのかを必ず最初に決めておきましょう。下記のように表を使って管理すると、非常に分かりやすいです。
6.競合分析
ターゲットユーザーに最適なアプローチが分かった後すぐに自社の投稿案を考えるのではなく、一歩立ち止まって競合の動きを見てみましょう。ほとんどのジャンルでは、既に上手くいっている競合アカウントが存在します。どんな発信をしているか確認し、参考になる部分を抽出してください。
なお、競合調査での重要ポイントは2つ。
①直接競合と間接競合の両軸でチェックする。
・直接競合:同ジャンルの業種
例)スターバックスとドトール:カフェというジャンルでの競合
・間接競合:ユーザーに与える価値と同等価値を与える、他業種のサービス ※例)スターバックスとコンビニ:「飲み物を買う」という価値が同じ
②「誰に」「何を」伝えているか明確にした上で、見せ方を参考にする
※ただ見せ方を見るだけで終わらないように。
この辺りを意識して、競合を最低5つはピックアップし分析してください。また同時に、どんな口コミが生まれているか・どのSNSで最も露出を強化しているかも確認しておきましょう。
7.自社投稿案企画
ここまで分析して、ようやく自社コンテンツを考えていきます。
Instagtramであれば画像投稿・リール動画・ストーリーズ発信・UGC施策、Tiktokであれば動画案、X(Twitter)であれば、ツイート案・UGC案(口コミ施策)について主に考えていきましょう。
難しく感じるかもしれませんが、ここまで至るまでに
・何のために運用するのか(1.目的)
・サービスのどんな部分が特徴で強みか(2.現状分析)
・最も喜んでくれる人は誰か(3.ターゲット設定)
・そのユーザーは購入までどんな思考の変化があるか(4.CJM)
・うまくいってる競合はどんな発信をしてるか(5.競合分析)
を行いますので、上記がしっかり明確になっていれば、案を出していくのも難しくはありません。また、企画案に関しては都度ブラッシュアップが必要なので、まず出た案の中で1~2つの企画を走らせてみて、分析改善しながら
最善の方向に近づけていくのがいいかと思います。
8.投稿スケジュール作成
投稿案ができたら、そのコンテンツを撮影・編集していきます。そのコンテンツを、いつから、どれくらいの頻度で載せていくかをしっかりスケジュールに落とし込んでください。
「せっかく戦略まで考えたのに、そこで終わってしまっている」という会社様も少なくありません。しっかりスケジュールに落とし込み、今日何をするか?を記載しておきましょう。
TRYVALではこのような形で、スケジュール管理を行なっています。
ここまでできたら、運用開始です!
まとめ
以上が、SNS運用開始までにやるべき8ステップです。厳密に言うと、プロフィール文章の変更・クリエイティブの撮影・編集方法のすり合わせ・分析ツールの導入など、ほかにもやることは様々あります。
今後は運用設計の一つ一つをさらに深堀りした記事も作成していこうと思います。ぜひこの機会にTRYVALアカウントをフォローして、SNS運用について学んでみてください!